2013.06.01(Sat)
ツイッター診断で出た結果にときめいたんで、掌編でも書いてみた。
読みたいって思った勢いメモ。


お題/次の新刊タイトル決まったー
http://shindanmaker.com/199417
新刊本『にゃん!にゃん!にゃん!』を出す予定です!甘甘で時代ものです!出なかったらごめんね!



≪にゃんにゃんにゃん・壱≫

 山深くの廃屋で一匹の猫娘が暮らしていたのさ。
 主人はもう亡くなって、けれど他に行くでもなくその家を守ってたのさ。

 ある日、童が一人で迷い込んできた。
 一人で山に遊びに来て、迷子になったんだ。
 猫娘は童を脅して追い返そうと思ったのだけど、大きな腹の音がしてね。
 泣きべそで恥ずかしそうにしてるのが、情けないやらおかしいやらで、気が変わったんだ。
 その童を助けてやることにした。

 村はこの道を真っ直ぐ下るんだと、途中まで案内して見送ったんだ。
 久しぶりに人間と話して、楽しかったのもあるね。
 でもまぁ、大した縁じゃなし、これで終わりだと、そう思ったんだ。

 ところがその童、遊びに来るようになっちゃったんだ。
 名前をせがまれたから教えたら、「ねこー、ねこー」って気安く呼ぶようになった。
 大きな声でね。「ねこーねこー」って呼ぶんだ。
 それが猫娘には懐かしくてね。頭を撫でてくれた手の平の感触を思い出すんだ。

 その日から廃屋は、童と猫娘の遊び場になったんだ。
 童は毎日すくすくと成長していくけど、猫娘は出会ったときのまま大きくならない。
 丁度、お互いの背丈が同じぐらいになった頃、急に童が来なくなった。
 一日待って、二日待って、三日目には猫娘は辛抱貯まらなくなって、人里に下りてみたのさ。


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オリキャラ対談
2008.04.23(Wed)
「ナイア=ウォルクスです!」
「メイ・リーです!」

『作者だけが楽しい、オリキャラたいだーん!!』

「はい♪そんなわけで、アホの子たちですよ」
「たちっ!!?」

「そうですよ、ナイアさん。あ、私の方が年上ですね!
 でも、気軽にメイって呼んで下さい!」

「……年上……」
「はい♪」

「……え、と、まず、お互いの住んでる世界の説明をしましょう。
 あたし、ナイアはソウルウィルという異世界ファンタジーの住人よ。
 剣で怪物と戦ってるの」

(詳細→ソウルウィル

「私、メイはSF作品、漂流戦艦夕音のクルーだよ。
 新米パイロットなの。でも、まだ実践経験も浅くて、
 コクピットに入るだけで心臓がとまりそう!」

(関連記事: 2008.04.04漂流戦艦夕音リターン


「うんうん。初陣は緊張する。わかるわー、その気持ち」

「だから私、ロールの歌をうたったの」


「……あ?」


「この歌をうたってると、葉子さんが側にいてくれる気がして、
 とっても元気がでてくるのよ。あっ、葉子さんっていうのは、
 私の頼れる先輩で、素敵なロールの持ち主なの♪」


「そ、その陶酔した目は何っ。
 ま、待って、帰ってきて、歌い出さないでえっ」



「ナイアさんも、その髪をロールにしたら似合いそう
 ……うん。きっと似合うわ………素敵な人」


「ままま、待ってどうして手を握るの。頬赤いよっ。」


「ナイアさんって、剣で戦ってるだけあって、
 しっかり筋肉がついてるんですね。ほっぺはこんなに柔らかいのに。
 ……髪をアップにしてロールにしたら似合いそう……」


「待って、妄想でどこかにいかないでえっ。
 ほらっ、あたしは髪を巻いてませんからっ!!」



「そうだ!ナイアさんに帽子を作ったの。
 私とお揃いなんだけど……使ってくれると嬉しいな」

「ぼうしっ! そのドピンクの! ご、ゴーグルがはずせない!?」

「…………あ、迷惑、だった……?
 私、同世代の子にあえるって聞いて嬉しくて……。
 もう、いつ補給できるかあてのない中、物資は貴重だって
 わかってたんだけど、他に渡せる物もなかったし……。

 やっぱり、山田さんの着せ替え人形の方がよかったよね。
 私、今からでも――」



「うわあああっ、そんな浪人生が肌身離さず
 腹話術で会話させていたのなんか、きみわ……あ、いや、
 それは山田さんの命より大切な宝物だから貰えませんからっ!!

 あ、あたし、いつもバンダナだったから帽子もかぶってみたいなーて」



「良かったぁ。うん、とっても似合ってる。……ふふ、お揃いね」


「あははははは……」


「これでロールになってくれたら、もっと素敵なのに。
 包帯でもいいのよ。くるくる、くるくるって巻いてることが大事なの。
 ……そういえば、そのバンダナって……」



「は、はひっ!?あああ、あの、あのっ」

「いいですよね。くるくる、くるくるって。
 どうして気付かなかったのかな、ナイアさんの腰紐も、くるくるって……」



「かかか、顔寄せて、あの、腰に手をまわして何を!!?
 ってゆーか、乙女の危機ですか。メイってそっち系の人!?」



「そんなぁ、私はただナイアさんと仲良くなりたいだけなのに」
「なんなのこの人っ。せんせーっ、こんなの聞いてませんよ。
 せんせーいっ!!!」


「んーっ、ナイアさんの髪から、おひさまと草の匂いがする」
「んきゃああっ!せんせーっ、せんせー!」


――安心しろ。両作品とも全年齢指定だ。


「声は聞こえど姿が見えずですかっ。こんな時まで隠密にならないでぇ。」



≪終≫

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漂流戦艦夕音リターン記事のついでに打ち込んでた物。

こういうキャラトークは、書いてる作者が楽しいものだと思いつつ、
特にネタもないのでもってきましたよ。

サークル作品SWと酉創作物の中で、キャラが被ってそうな方を
ピックアップして会話させてみたらどうなるだろう
という好奇心だけで出来ています。

両方のキャラがわかる人は片手で足りるってもんですよ。


ナイアとメイは、誕生したのはメイが先になります。
どちらも、合作する上でやりやすいように普通の子を目指して、
盛大にスピンアウトしたという。

メイなんか、常にキャンパス上の絵に絡みつづけていった結果、
部屋で待機なんてしたことないですし。

パイロットらしいことしたっけ? などと作者が言う始末。

やぁ、懐かしい話です。

関連記事
ソウルウィル(ことのは)
2008.04.04漂流戦艦夕音リターン

【短編】悪意の獣
2008.03.03(Mon)
~壱~

 悪意の獣は、いつも悪さばかりを考えながら旅をしていた。
 赤子を盗む。火を放つ。畑を荒らす。
 いつも最後は村人に追われて、這う這うの体で逃げ出す。
 そうやって獣は、口笛を吹きながら、自分の事を知られていない土地を転々としていた。

 ああ、楽しかった。
 次は何をしてやろう。

 次の村が近づいて来た頃、悪意の獣は滝の様なひどい大雨に襲われた。
 川は激流と化し、今にも洪水が起こりそうだ。
 村へと続く橋を渡りながら、獣は思いついた。

 そうだ。この橋を壊せば、村人たちは逃げ出せなくなって困るに違いない。

 橋を渡りきると、獣はそれを実行した。
 橋は崩れ、川に流された。
 ちょうどよく、村から男たちが笠を被ってやってきた。
 橋が心配になって見に来たのだ。
 彼等がみたのは、跡形もない橋の前でふんぞりかえる獣の姿だった。
「あんたがやったのか」
 獣は堂々と、そうだと答えた。
 そうして、罵りの言葉を待った。
「ありがとう。助かったよ。橋を落とさなかったら、今ごろ流れてきた樹木が詰まって洪水になるところだった」
 ありがとう。ありがとうと、男たちは礼を言った。
 元より男たちは、橋を落とすつもりで川に来たのだ。
 悪意の獣は、男たちを気味悪がった。

 男たちは獣を村に招き、暖かいいろりの前を獣に譲った。
 悪意の獣は居心地悪そうに、そわそわした。
 暖かな炎を恨めしげに見ながら、軒下でうずくまる方が自分にはあっているのに。
 獣は、女が雑炊をお椀によそうのを見て思いついた。
 丹精込めて作られたそれを、土間に捨ててやろうと。
 これならきっと、怒り出すに違いない。
 獣は一番にお椀を渡された。
「さあさあ、暖かいうちにどうぞ」
 獣は急に立ち上がると、手の中のお椀を投げ捨てるばかりか、鍋をひっくり返した。
 みんなは驚いた顔で、獣をみた。
 獣は今度こそと、怒りの言葉を待った。
 女が散乱した雑炊の中身をみて言った。
「あら嫌だ。これは毒茸じゃないか。食べていたら、あたしらみんなおっちんでるところだったよ」
 獣は目を剥いて驚いた。

 またか。また失敗か。

 みんなは、あんたは命の恩人だ、と悪意の獣にお礼を言った。
 そして、獣は村で一番立派な家の客間に通された。

 その晩、悪意の獣は暖かな布団上でうなされた。




~弐~

 悪意の獣はいつも悪さばかりを考えて、旅をしてきた。
 家畜は襲う。子供を売る。墓を壊す。
 そうして最後は村人に追われて、這う這うの体で逃げ出す。
 そうやって獣は、口笛を吹きながら、新しい土地を転々としてきた。
 なのに――――。

 ああ、つまらない。
 ここでは、悪さが喜ばれるのか。

 悪意の獣は、村の土手に座り込んで溜息をついた。
 お腹は満たされていた。朝食をいただいたからだ。
 あげくに昨日の嵐が嘘のように、空まで晴れている。
 最悪の天気だ。

「あんたの羽織、随分ボロだね。貸してご覧、繕ってあげるよ」

 悪意の獣は閃いた。
 本当のことを言えばいいのだ。
 新しい事をやっても失敗するなら、過去の成功例を聞かせればいい。
 女は針と糸を投げ捨て、逃げ出すことだろう。

 悪意の獣は羽織を渡すと、自分が今までに成し遂げた悪事を女に明かした。

 自分は悪意の獣だということ。
 あちらこちらで悪さばかりして、最後は農具と松明で追い立てられること。
 罵られ石をぶつけられるのが大好きだということ。
 昨日も村人を助ける気なんか、これっぽっちもなかった。
 橋を壊せば村人たちが困るだろうと思ってやったし、鍋だって台無しにしてやろうと思ってやった。

 獣の話に相づちをうちながら、女は黙々と手を動かした。
 獣は期待で、鼻息を荒くした。

 女は綺麗になった羽織を獣の肩にかけると、ぽんぽんと二度叩いた。
 まるで、赤子を寝かしつけるような優しさがあった。
 獣は口を半開きにして、女をじろじろと見た。
 逃げる様子も、人を呼ぶ様子もない。

「大丈夫。この村に、あんたに石を投げるヤツはいないよ」

 獣の眉が八の字に歪んだ。
 なんて村だろう。こんな村、橋が直ったらすぐに出て行こう。
 悪意の獣は肩を落として、背中をまるめた。

「まだ、痛むのかい?」
 悪意の獣はますます気分が悪くなった。
 体は痛くないのに、獣は自分の胸を押さえた。

 暖かな日差しも、緑の芝も、風にのって届く花の香りも。
 悪意の獣は大嫌いだった。

 



 女が、あ、と小さな声で叫んだ。
 獣は肩ごしに後ろをみた。
 先程の風にあおられたのか裁縫箱が倒れて、針山が土手の方に転がっていた。

 悪意の獣は立ち上がって、女と針山を追い掛けていた。
 女の足で追い付けなくても、獣の足なら間に合うからと。


 女のてのひらの上に、針山が乗っていた。
 礼を言おうと女が顔を上げたとき、悪意の獣はもう何処にもいなかった。


おしまい

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と、いうことで、旧・メモっ酉ぶりです。
正確には2005年04月24日ぶり。

ここまで間が空いてしまうとですね。
いっそ堂々と置けるという(駄)

明けの魔女
2008.02.03(Sun)
 彼には、力が必要だった。

 忌むべき人買いの元に顔を出し、
 方々を巡って、素質のある子供を捜した。

 金は幾らかかっても構わない。

 炉に火を入れることができれば、
 我は在りし日の栄華を取り戻すのだ。


 あの大空より見下ろす大地は、いかに美しいことだろう。



 そのためには、
 古の魔道師に劣らぬだけの素質を持つ者が必要だった。

 炉に、主が戻ってきたと誤解させるだけの魔力を持つ者さえいれば。
 無限に湧き出る兵士が手に入るのだ。

 

 こうして連れてこられた赤子がひとり。

 育て親に促され、娘は地下へと降りる。 
 ただ、彼を手伝いたい一心で。


meliant
+ メリアント +
 人物ラフ@那月さん / 塗り、仕上げ、背景@酉

 自分では大人っぽく描けないからと、人様のラフ絵を回収してみた。
 やってみたかったから、という理由で縦長使用です。 

 よく見ると途中で燃え尽きたのがばれるんで、軽く流しみる感じでどぞ。