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魔剣の主・上-人類救済機構編(1)

Categoryイチの刻
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 長い緋色の髪が強風にあおられる。
 赤き魔女は慌てて帽子を押さえた。
 暗雲が空を覆う中、海は殺意に染まっていた。
 荒れ狂う波から伸びた触手が船体に絡みつき、帆船を水中へと引きずり込もうとしていた。
 船体がきしみ、大きく傾く。
 海魔の手を切り離そうと、ハンターだけでなく船員も武器を持ち、炎を嫌がる触手に向けて松明を振り回していた。海魔退治に駆り出された戦闘帆船の乗組員だけあって、度胸が据わっている。
 赤き魔女は、船室の入り口と胴体を結ぶロープがしっかり結べている事を確認すると杖を掲げた。



FAMILIAR ~イチ刻~ -->説明書登場人物・用語一覧


 焔の魔剣使いシリーズ 3
   人類救済機構 (1)


キーワード:【白】、人界、魔物狩り(ハンター)、英雄
「我請うは灼熱の牙。ソイフレイム! ……だったっけ?」
 自信なさげな声とは裏腹に、杖の先端に紅蓮の炎が生まれる。
 炎は螺旋を描いて直進すると、船の縁を掴む海魔の触手の一本を削ぎ、奥のもう一本を断ち切った。
 炎と接触した箇所は、炭化しぼろぼろと崩れ落ちた。
 そのあまりの火の勢いに、海面を跳ねて襲ってくる肉食魚を切り落としていた若い騎士が、ぎょっと身をこわばらせた。癖のある短い金髪は汗と海水で頬に張り付き、真新しい鎧は魔物の体液で汚れていた。
「メーっ、待ったっ! 船を燃やすな!」
「うっさいっ。時間を稼いで!」
 若い騎士の呼びかけを、赤い魔女は一蹴した。
 杖の先端についている石が、送り込まれる魔力に反応して無色から緋色へと変わっていく。深い真紅のローブにかかった水しぶきが一瞬で蒸発し、魔女の周囲に蒸気が立ちこめる。
「おいっ。それはイズルさんに止められて――…くっそ。全員、伏せて衝撃に備えろ! 次は、さっきより大きい魔法が来るぞっ」
 若い騎士が声を張り上げた。
 魔女は目を瞑ったまま、ただ次にかける魔法に集中していた。
 その無防備な細い腕や首筋を狙って、肉食魚が飛びかかる。
 傾いた甲板を駆け上がった若い騎士が、間に割って入った。
 マントに食らいついた魚を船室の壁で押し潰すと、自分より一回りも小さい魔女の胴体を抱えこみ、飛んでくる他の肉食魚を切り落とした。
「我講うは―― ……あー、もう知らないっ。火神ソイの加護の下、焼き尽くせ!」
「またそんな、いい加減な呪文で」
 若い騎士の文句は、熱風にかき消された。
 船の周囲で立て続けに四本の火柱が上がった。
 海面が沸き立つ。蒸気があたりを包んだ。
 異形の悲鳴が衝撃となって、船とその上に居る人々を揺らした。
 船体に絡んでいた海魔の手が苦痛にのたうち、炎柱に飲まれ、焼け崩れていった。
 若い騎士は魔女の体を支え、次々襲ってくる衝撃に耐える。
 海に落ちたら、火ダルマか、煮え立った海水か、そのどちらが出迎えるにしても助からないだろう。
 わずかに残っていた海魔の腕が離れ、海中に消えた。
「うふふふふふ。逃がすものですかっ」
 若い騎士に抱きかかえられたまま、赤い魔女は再び杖を振った。
 今度は、呪文を唱えようともしなかった。
 船から離れたところの海面が爆発する。
 異形の断末魔が空へと抜ける。爆発を中心にして空を覆っていた暗雲が吹き飛んだ。
 音に遅れて届いた波に、船体が大きく揺れる。
 巨大な海魔が生み出していた空間が消えた事で、他の肉食魚も逃げ出した。
 揺れの収まると、船乗りたちは唖然と海を見ていた。
 そんな中、得意げに赤い魔女が杖を振った。
「どーんなもんよ。《赤き魔女》たるこの私、メー=ラリスクが本気になれば、海魔の一匹や二匹ちょちょいのちょ、」
「こらっ」
 すっぱーんと小気味良い音を立てて魔女の頭が叩かれた。
 叩いたのは、側にいた若い騎士だ。
「本気すぎだ。メー。巻き込まれた人がいたらどうすんだ」
「謝る。……やだ。何よテッタ。マジで怒ってるの?」
 叩かれた拍子にずれた帽子を直しながら、メーはテッタの顔きこんだ。
 十七になったばかりの青年の頬には、海水で濡れた金髪が張り付いていた。蒼い瞳がじっとメーを見かえしている。その強張った表情は、初陣の恐怖や海水を被って冷えたからだけではなさそうだ。
「……詠唱なしで魔法を使った事、イズルさんに言うからな」
 ぼつりと、テッタがつぶやいた。
 養父の名を持ち出されて、さっとメーの顔色が変わった。
「うぇっ。ちょ、ちょっと、何それ。私、頑張ったじゃない」
「だからやりすぎ。あれじゃあ人間はもちろん、人族が扱う魔法の域も軽く超えてる。そりゃあ助かったよ。けど……僕はメーが心配なんだ」
 そう言って、テッタはメーの両手を握りしめた。
 メーがどんなに腕を上下に振っても放そうとしない。
「ンもう、私は大丈夫だって。《白の賢者》が秀才なら、私は天才なの」
「どんな天才でも、人は呪文と杖の助けなしに魔法は使えないんだよ。メー、唱えるふりで良いんだから。それに、」
 テッタはメーの耳元で囁いた。
「――魔物の君がイズルさんの側に居るためには必要なことだろ」
 テッタはぱっと手を放し、倒れてる人たちの介抱に向かった。
 向かった先で、恋人同士なら仲良くしてても良いだの言われ、小突かれている。
 テッタが情けない顔で愛想笑いをすると、何やらひそひそ話を開始した。
 テッタがメーは彼女ではないと返事したら、船乗りはうちのかみさんを落とした必勝法を年若いハンターに伝授しようとしている。
 人間の女の子なら聞こえないかもしれないけど、魔物の耳には筒抜けである。
 残されたメーは、困ったような照れたような顔で頬を膨らませた。
「ふんだ。テッタは人間だから助けてあげないと死んじゃうじゃないの。何人か味見がてらに持ち攫われる前に退治したんだから、感謝しなさいよね」
 テッタを狙っている海魔の触手に気づいたから手加減しなかったのだなどと、絶対に教えてやるものかと、メーは固く誓った。
「ほらぁ、無駄話する元気があるなら早く船を出してよ。式典が始まっちゃうじゃん!」
 メーはひそひそ話を続ける男連中に怒鳴りつけた。
「式典て、あの三人目の《英雄》受勲者が出たって言う。あれか?」
「そーよ。何を隠そうこの私は、イズルの、」
「そら嬢ちゃん。無理だわ」
「………は?」
「これから船を点検して簡単な修理もしないといかん。仮に船に損傷がなくても、式典には間に合わん。いやあ、嬢ちゃんたちのおかげで助かったよ。海魔が巣を作る前に退治できた」
「はあ!? 何それ、聞いてないっ。間に合うっていうから引き受けたのに!」
「何言ってんだ。お宅のリーダーには、ちゃんと説明したぞ」
「テッタ!」
 テッタは、怒りに燃えるメーから顔をそらした。
「ま、陸路じゃないんだから、三日で着いたら三日で戻れると思ったら大間違いだよね。行きと帰りで使う波が違うんだって、同じルートで戻れば良いってものでもないらしいよ。あのでかい奴にも随分と引きずり回されたし……。イズルさんならきっと、式典の出欠席に関係なく、僕らの活躍を喜んでくれるよ」
 その後、式典の開催予定日が過ぎるまで、尻に火がつけば速くなるんじゃない? と真顔で杖を振り上げる魔女を、若い騎士は全力で取り押さえる事になるのだった。


   ・/・


 広場は英雄を一目見んと多くの人が詰め寄せていた。
 バルコニー立つのは三人。

 威風堂々たる風貌の男は、人類救済機構の長。
 青いドレスを着て微笑んでいる清楚な少女は、彼の娘。
 そして、最後の一人は《焔の英雄》。

 炎の魔剣を操り、呪われた魔の生き物を灰燼(かいじん)に帰す。
 彼ほどのハンターはこれまでになく、魔物にもその名が知れ渡るほど。

 狂える月が支配する夜は、彼の戦場。
 人々にやすらかな眠りを届けるために、彼は剣を振るう。
 救われた村は数知れず、助けられた人々はあの日、眼にした炎の色を忘れない。
 暗闇を蒼で染め上げ、魔物の他は草一本焼くことのない、あの炎を。
 あの炎の使い手を。

 ありとあらゆる賛辞を贈られても、決して表には出てこなかった彼が今日、初めて姿を見せる。
 すでに広場の人は溢れているというのに、それでも人は集う。
 勇猛果敢な戦士の姿を胸に描いて。


     ・/・


 イズルはくしゃみをすると鼻をすすった。
 強い日差しの照りつけるバルコニーで、壮年の男性が演説している。
 ガイア=アルバレット。この人類救済機構のギルド長を務めている男だ。
「今、世界の半分は魔の領域にある。かつて安らかな眠りを与えてくれた月は毒を撒き、夜は魔物のものとなった。誰もが月明かりを避け、夜間の外出は控えていることだろう。――しかし、その闇の中で魔物と戦い続けた者がいる。単独での退治は不可能とされていた吸血鬼を滅した者がいる」
 ガイアの声を風の魔法が広場の隅々にまで運ぶ。
 希少な魔術師がこんなくだらない式典に駆り出されていることに、イズルは苦笑した。
 イズルの服装はいつもの黒のインナーではなく、鷹が彫られた銀の胸当てに、豪奢なマントを羽織っていた。今日のために用意された衣装だ。首元や袖口についた白いレースが肌に当たるのが気になって、自然と手首をこすってしまう。
「まるで仮装だな」
 そう言ってイズルは頭を掻いた後、指の匂いをかいで嫌そうに舌をだした。甘ったるい花の匂いがした。
 いつもは好き勝手に跳ねている黒髪も、今日は使用人の手で綺麗にまとめられていた。
「なぁ、歴戦の勇士が新品の鎧を着てるってのも変じゃね?」
 腰から下げた長剣に手を置いて、指摘した。
 正装で身を固めた中、その長剣だけは飾り気のない無骨なものだった。
 数多の魔物を滅した魔剣。これだけは、他の物で代用できないからだ。
「そうぼやかない。魔物と戦うより、ずっと楽な任務でしょう?」
 ガイアの隣に立つ少女が、笑みは崩さずにイズルに向けて小声で言った。
 テティス=アルバレット。ガイアの娘だ。
 花飾りで黒髪をまとめ、貴族風の青いドレスを着ている。
 大人びた体付きに反して、こっそりとイズルにウィンクする仕草は幼さを感じさせた。
 事実、彼女はまだ十六歳で、イズルの半分しか生きていない。
「俺は見世物になるよか、剣を振るってる方が楽だよ」
「これだって、大切なお仕事だよ。私たちは、人類が魔物に屈しないための心の支えなんだから」
 誇らしげにテティスが笑った。
 テティスとイズルが小声で会話する間も、ガイアの演説は続く。
「魔物の王、吸血鬼は大陸の各所に個々の領地を定め支配している。そこで暮らす人間は、彼らの奴隷であり食料だ。我々も幾度か大規模な領土奪還作戦を行ったが、上手く言ってないのが現状だ。しかし、十年前、一人のハンターがこれを成した。風の地を治めていた吸血鬼を倒したのだ」
 ガイアの言いぐさに、イズルは小さく舌打ちをした。
 もう、十年だ。
 吸血鬼領主マーチェント=サリクを滅ぼして、もう十年になるというのに、他の領主は誰一人討ち取ることが出来ていない。
 吸血鬼の支配下にある魔物が邪魔で、領主の下にまで辿り着けない。
 かといって、魔物を放っておけば人が襲われる。
 運が良かったのだ。
 新米ハンターの動きを吸血鬼は警戒しておらず、吸血鬼側からしたらマーチェント=サリクは予期せぬ伏兵に暗殺されも同然。
 一度、名を知られてしまえば、次は容易には行かないのだ。
「諸君も噂では聞いたことがあるだろう。吸血鬼を殺したことで、執拗に魔物に狙われているハンターがいると。それでも尚、皆のため、苦境にあえぐ村々のために魔剣を振るうハンターがいると。――それは、すべて本当の事だ」
 ガイアの言葉に、民衆の期待が一気に高まっていく。
「本日、我々、人類救済機構は、彼に《英雄》の称号を与えることにした。さぁ、その英雄を出迎えるとしよう。《焔の英雄》、人族のハンター、イズル君だ」
 大歓声に包まれる明るい日差しの下へ、イズルは歩みでた。
 祝福の声は、すぐに戸惑いとざわめきに変わった。
 何しろ出てきたのは、ギルド長の娘よりも背の低い十五歳くらいの少年だったからだ。
 十年以上、最前線で戦い続けてきたハンターと言うには若すぎる。
 新米どころか見習いと言った方がしっくりくる。
 体に合ってない大きめの長剣が余計に少年を小さく見せた。
 褐色の肌に黒い髪、可愛さの残る顔立ちには子供らしからぬすごみを秘めていたが、民衆がそれに気づくにはバルコニーは遠かった。
「どうやら、戸惑っている者が多いようだから説明しよう。人族というものを君たちは聞いたことがあるだろう。彼らは長命であり、その老い方も人間とは異なる。イズル君もそのひとりなのだよ。さぁ、勇敢な彼を今一度拍手で出迎えようじゃないか」
 ガイアとテティスが笑顔を浮かべる中、イズルは仏頂面でいた。
 テティスに促され、軽く手を振ると民衆の反応がいっそう大きくなる。
 群衆が期待と尊敬の眼差しを《英雄》に向けていた。
「英雄ね。……吸血鬼どもを一掃したら、素直にそう呼ばれてやるよ」
 イズルのつぶやきは、広場の熱気に飲まれて消えた。


     ・/・


 旧・世界文明。
 数千年前に滅びたとされるその文明は、六大陸全体に広がる高度な技術を持っていた。
 夜でも都の明かりは消えることなく、空を飛ぶ船や機械でできた人形が暮らしていたという。人々は時に争い、時に手を組みながら、この栄華が何処までも続くものだと信じていた。
 この地上に、人を喰らう化け物、魔物が現れるまでは。
 それは本当に突然で、あっという間の出来事だった。
 魔物が現れ、彼の文明は滅びるのに百年かからなかったと言われている。
 魔物は未知のエネルギー、これまでの物理常識ではあり得ない力をふるったのだ。
 つまり、魔法を使ったのだ。
 多くの都を焼き、人間を狩った。旧・世界の人々は奮闘するも、魔法を防ぐ術を持たない彼らは次第に押され、生活圏を削り取られていった。彼らは懸命に戦った。魔法が無くとも、彼らには兵器があった。今でも大陸には、彼の文明崩壊直前に使われた爆弾によって生まれたクレーターが無数に残っている。
 第一、それらの兵器が失われ、剣と弓にまで文明が後退してしまった現代でも、何とか魔物と渡り合えているのだ。未知の怪物への驚きから立ち直ってしまえばいくらでも対抗する手段はあっただろう。
 けれど、彼の文明は滅びてしまった。
 旧・世界文明に本当の意味での致命傷を与えたのは、魔物の出現と同時期、世界中に広まった奇病だった。それは人類だけではなく、植物や獣、虫や魚、この地上のありとあらゆる生き物に感染し、その命を奪った。
 ボルカノ汚染。通称《月の病》である。
 魔物と共に発見された汚染物質ボルカノの多量摂取によって発病するその病に、治療法は無く、運良く生き残れたとしても人体に様々な障害を残した。
 月光に汚染物質ボルカノが極めて多く含まれており、夜間の外出を控えるだけでも発病を遅らせることができるとわかるまでに、百あったと言われる人間の国が両手で足りるまでに減っていた。いかなる兵器も、使える人間、作れる人間が居なくなってしまえば、ただのガラクタでしかない。
 そうして、旧・世界文明は滅びてしまった。

 昼の太陽が人や植物を育て、夜の月は魔の生き物を育むのが当たり前になった。
 人間に戦う力がなくなってくると、今度は魔物同士で争うようになった。
 魔物にとって人間は美味な食材であり、他の魔物は敵対者でしかなかった。山に空に海にと縄張りを広げ、衝突を繰り返した。
 人が消え、魔物が蔓延る土地に吸血鬼と呼ばれる人間によく似た姿の魔物が姿をみせるようになったのは、その頃だ。吸血鬼は太陽の下を歩けないほどか弱い魔物だった。弱い彼らは互いに手を組み、吸血鬼連盟を作った。
 吸血鬼が他の魔物と違ったのは、異なる種族も仲間に引き入れたことと手に入れた富を内部で争うことなく分配できたことだ。
 強い個体が力を持つ魔物の世界に、吸血鬼は降伏した魔物を僕として使うという数での力をみせつけた。敵対する魔物を滅ぼし、降伏した魔物を配下におくことで、吸血鬼は支配者として君臨した。
 そうして十分に力を蓄えると、吸血鬼連盟は僅かに残っていた人の国家を次々と落としていった。この時、唯一、吸血鬼の侵略から逃れ得たのは、白の大陸にある聖白都ぐらいのものだ。
 吸血鬼連盟は大陸ごとにその地を治める領主を置いた。領主は領民である人間に、定期的に生贄を差し出せば、他の魔物から守ることを約束した。
 今では、吸血鬼の領主を受け入れている村も数多く存在する。
 吸血鬼は他の魔物と違って、不必要な虐殺や破壊を行わなかった。
 だって、人間は彼らの大事な糧だ。
 吸血鬼は、人間の生き血をすすることで魔力を高めるのだから。


 そんな魔物の支配を、全ての人間が受け入れたわけではなかった。
 黒の大陸に住む豪族たちが私財をなげうって、魔物に対抗する組織を作った。
 それが、この人類救済機構、通称ギルドである。
 人類救済機構の創設者は、魔物によって寸断されていた交通路の奪還を成功させた。この時、作戦指揮していた男性がギルドが認定する最初の英雄であり、現在ギルド長を務めているガイア=アルバレットの祖先である。
 この朗報を聞いて、人類救済機構に志を同じにする人や物が一気に集まった。
 今では、世界各地に支部を設置し、情報と魔物狩りのハンターを動かしている。
 活動資金は、支援する人々の資金提供から出ており、それにより魔物の被害者である依頼人の負担額を抑えている。
 魔物を危険性に合わせてランク分けし、高額な賞金をかけることで、金銭目当てに志願するハンターも多い。ハンターが無謀な挑戦をしないよう、ハンターにもライセンスを設け、監察官をつけた。例え、高額の賞金に目がくらんだとしても、担当の監察官がそれを許さないのだ。
 安全が確保されている街道は週単位で書き換わるものの、人類は再び地図を手に世界を歩けるようになった。

 魔物が地上に現れてから幾千年。
 世界の半分は、まだ人間の手に残されていた。




つづく

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