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逆しまの空3-8

Category逆しまの空
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 洞窟へと戻ってきたリューイは、フォトと供に取り外していた機材を門と繋げた。
 こうすれば、封印を解かずとも門の出口――天界との通信が可能なのは確認済みだった。
 洞窟の入り口では、ローランとラライが見張っている。
 他のみんなは、キャンプで撤収の準備を進めていた。
 呼び出しに出たのは、リューイが求めた相手ではなかった。
 四枚の翼を持った天使、最長老の側近の一人だ。
「ヒアレイリア様に、急ぎ伝えたいことがある」
 最長老の名前を出して、リューイは『彼女』との面会を求めた。
 しかし、帰ってきた言葉は冷たいものだった。
「最長老様は、貴方の通信は受けないとおっしゃいました。受けるときは任務を終えた時だと。親類の情を誘うつもりでしたら残念でしたねぇ。用件は、私が窺いましょう」
 ノイズの交じる映像の向こうで、相手が嘲笑うのがわかった。
「……なら貴方にお話ししよう。一度、天界に戻り、こちらで得たサンプルの分析を行いたい。それと、負傷者が出たので、病院の手配を」
「駄目だ。まだ貴君らの立ち入れは許可できない」
「なぜですか。我々は、この第四世界、呼称『地界』の調査を命じられている。これは、調査のために必要な行為で、」
「現在、こちらでは第二陣の探索隊の準備を進めている。そのまま、現状を維持し情報収集を続けることを貴君らに望みたい」
「そんな話は聞いていない! せめて、怪我人だけでも」
「ならん。これは、最長老様からの勅令である。天界の未来のため、尽力せよ。……こちらも忙しい。次は、もう少しマシな用件で通信されたし」
 通信を終えたあと、リューイは拳を機材に叩きつけた。
「フォト。門は使えるか。天界側の出口はまだ開いているか?」
「……はい。エネルギーの供給も正常に行われています」
「向こう側の出口を押さえられたのは痛かったな。君だけでも、あちらに残せたら」
「仕方在りません。残っていたら、今ごろ規約違反で監獄に送られていますよ。それに、私はリューイ様のお側で役に立てる方が、安心できますから」
「安心? 怪我人一人、病院に送ってやれない男の何処がっ」
「ええ。リューイ様は一人で何もかも成そうとする。それが、私は心配なのです。もっと、私どもを頼って下されば良い」
「まだ、無理にでも門を突破し、人界へ逃げ落ちる術(すべ)もある。人界なら多少の光もある、サナの怪我だって」
 捲くし立てる青年の口を、フォトはそっと人差し指で触れた。
「望む者が居ましたら、そうしましょう。でも、皆、貴方に恩がある。貴方が逃げ出さないのに、誰が逃げれましょうか。もう少しだけ、皆で頑張ってみましょう」

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